学部での研究室の選び
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生命科学系の学部では、学部4年生になったら「研究室」に配属されます。

配属された研究室で1年間研究をして、研究成果を発表して学士を取得することになるのです。

どのように学士を取得する研究室を選べば良いのでしょう?(中には学生さんに選択の余地は無く、強制的に決められる所もありますが…)

この記事では、学部での研究室の選び方について私の経験談も交えながらまとめていきます。

 あくまでも、このブログの管理人の個人的見解です。
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大学を卒業したあと、どうするか?

大学を卒業した後、どうしたいと思っていますか?

生命科学系の場合、下の三つに分けられるのではないかと思います。

  1. 学部卒で就職する
  2. 大学院に進学する→修士号を取得して就職する
  3. 大学院に進学する→博士号を取得する

そのほかにも、海外に留学するという選択肢もあると思いますが、この記事ではあくまでも国内で進学する場合を想定しています。

(博士号を取得して研究者としてやっていきたいのであれば、個人的には海外に出ることをオススメします)

 

上の①〜③の場合で個別にどのような研究室を選べば良いのか、見ていきましょう。

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学部卒で就職する

学部を卒業してすぐに就職を目指している場合、現在の日本の就活システムでは研究室に配属されてすぐに就活が始まってしまいます。(外資系などの就職を目指す場合はもう少し早いようです)

研究室に配属されてすぐに、研究室を就休むことになってしまうので、就活に理解がある研究室に所属するのがオススメ。

 

研究室にいる人たちは、基本的には研究が好きで、研究室に来るのが当たり前という感じで研究している人が多いです。

学生の私的な用事のために簡単に研究室を休まれると腹を立ててしまう人も中にはいます。

(陰で「あいつはまともに実験しないで〜」とか言われることもあるので注意が必要!)

そんな余計で不快な思いをしないためにも、就職活動しやすい研究室を選びましょう。

先輩から情報収集しておくと良いです。

 

学部卒ですぐに就職してしまうので、研究室での研究が社会人になって(すぐに)役に立つわけではありません。

苦しい思いをして研究するよりも、自分が興味があって楽しく研究室生活を送れそうなところを選ぶのが良いと思います。

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修士号を取得して就職する場合

2021年6月に発表された科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が行った調査によると、自然科学分野では修士課程を修了した7〜8割程度の学生さんが就職するようです。

それに対して博士号の取得を目指す学生さんは10%未満。

後の10〜20%はどこへ行ってしまったんだ?!という感じですが...

それだけ、修士号を取得して就職する学生さんが多いということ。

(私がいた大学でも、理系学部に来たのなら修士まで進むのが当たり前という雰囲気でした)

 

修士を卒業した後に就職する場合、

就職したい方面が決まっているのであれば、その方面に強い研究室を選ぶのがオススメ。

特に行きたい企業が決まっているのであれば、その企業と共同研究している研究室に行くのが良いです。

(共同研究しているテーマを貰えば、企業とのパイプも生まれるし、どんな会社なのか少しは知ることができるからです。)

志望している企業に行けるかどうかは分かりませんが、就職しやすい傾向があるように思います。

 

もう一つは、修士号を取るとなると学士の時と合わせて合計3年間研究することになります。

3年って短いようで意外と長い!

自分が「面白そう!」「興味ある!」と関心を持てそうなテーマを扱っている研究室を選ぶのも良いのではないでしょうか。

 

私が、修士の研究室選びに失敗した話はこちら↓

博士号の取得を目指す場合

最後に、大学の学部生から博士取得を目指している場合についてです。

研究者になる気満々!という方は、最初から興味があるテーマではなく別の指標で研究室選びをするのが良いと思っています。

 

その指標とは、「研究するのに必要な基礎知識が身につけられるかどうか?」です。

「研究するのに必要な基礎知識」とは、実験の基本的な仕方、実験計画の立て方、論文の読み方・書き方、プレゼンの作り方、申請書の書き方など、研究者としてこれからやっていくために必要なこと。

学部生・修士の学生の間は研究の基本・土台をしっかり作る期間にしましょう。

基礎知識があればどんな分野に進んでも、研究というフィールドでは応用可能でどこへ行ってもやっていけるからです。

 

では、研究するのに必要な基礎知識が身につけられる研究室とはどういう研究室なのでしょうか?

私の個人的な感覚としては、

・博士課程の学生の層が厚い(指導力がある)

・DC1、DC2など学振の取得率が高い(質の高い研究を活発に行っている)

・研究室のメンバーが少ない(シニアの研究者の目が学生に行き届く)

といった条件を満たす研究室が良いのではないかと思います。

私の研究室の選び方とその後

今まで偉そうに学部での研究室の選び方についてつらつら書いてきましたが、実際はどうだったのか?もお話ししておきましょう。

結論から言うと、博士課程の進学を目指していた学生が学部卒で違う研究室に行くことを決意した、要は失敗しました。

 

私は元々博士課程まで行って研究者になりたいと思っていたのですが、単に興味のあるテーマを扱っていた研究室を選んでしまいます。

その興味がある研究室は「楽だ!」と言う噂があり、かなり人気の研究室。

私が在籍していた学部での研究室選びは成績順で決まり、その研究室に確実に行くためにはトップクラスの成績が必要でした。

専門科目の勉強は割と好きだったので、学部での成績は5本の指に入っていたのではないかと思います。

 

晴れて志望していた研究室に行けたのですが...

できたばかりの研究室で指導できる博士課程の学生さんがものすごく少なく、その代わりに修士課程の学生さんがかなりたくさんいました。

修士課程の学生さんに話を聞くと、ほとんどが就職してしまうとのこと...

この研究室では研究者としてやっていけないかもしれない、とその当時の私は思い、教授を説得して外部の研究機関で研究させてもらっていました。

このままでは所属している研究室の教授の顔が立たないし、「研究者になりたい!」と思っていたので、大学院は別のところへ行くことを決意したのでした。

大学の研究室の選び方 まとめ

学部での研究室選びについてまとめます。

  • 将来どのような形で社会に出るかで選ぶ研究室が変わる
  • 学部で就職する場合は、楽しく研究できて就活に理解がある研究室
  • 修士で就職する場合は、興味がある+企業と共同研究している研究室
  • 博士課程まで進む場合は、研究の基礎知識を得られる研究室
  • 行きたい研究室に確実に行くためには、学部の勉強をある程度がん

これはあくまでも個人的な考えなので、参考程度にして研究室を決めてもらえればと思います。

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