大学院進学を迷っているあなたへ〜失敗談
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修士課程の進学に迷っているあなたへ。
このページに来てくれいていると言うことは、学部から大学院に進学しようかどうか?どこの大学院に進学したら良いのか?を迷っているのではないかと思います。

 

えいこラボの管理人である私は、学部とは違う大学の大学院に進学して「少し失敗したな〜」という経験をしました。

この記事では、どうして大学院に進んだのか、大学院の選び方、他大の院を受験することについて私の失敗談を含めてお伝えしたいと思います。

 この記事では生命科学系分野の大学院進学についての体験談を記載しています。他の分野は事情が違うかもしれません
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大学院前期課程(修士課程)の選択肢

大学院に進学すると言うこと

大学院前期課程(修士課程)に進むとはどう言うことなのか、一緒に考えてみましょう。

 

まず、質問です。

修士課程を修了した後に何をしたいですか?

 

「今の時点」でどう思っているかで良いので考えてみてください。

博士課程に進んで研究者としてやっていきたいですか?

就職して働きたいですか?

就職するとしても、どのような職種ですか?研究職ですか?一般職ですか?

 

少しでも将来「研究」に携わりたいと思っているのであれば、ぜひ「大学院に進学」しましょう。

「研究」に関わらないで早く社会に出たいのであれば、大学院に行かないで就職することをオススメします。

研究の現場は逃げないので、また「研究したい」と思ったらいつでも大学に戻って研究をすれば良いと思います。

 

大学院に進学するとして、研究職で就職したいと思っている場合は、自分がどの分野の研究に興味があるのかもう一度自分に問いかけてみてください。

食品の開発?化粧品の開発?薬の開発?一言で「(生命科学系の)研究職」と言ってもさまざまな分野に分かれています。

自分がどの分野、どの企業で働きたいのか?をはっきりさせておきましょう。

大学院選びのポイントとしては、自分が働きたい会社が必要としている技術・知識を身につけられるか?働きたい会社と関連した研究をしている研究室かどうか?となってくると思います。

 

博士課程に進んで研究者としてやっていきたいと思っている場合、自分が興味ある研究をしている研究室があるかどうか、一緒に研究してみたいと思える先生がいるかどうか?を基準として選ぶのが良いと思います。

海外を視野に入れて検討してみてください。

研究費(科研費・学振)を取りやすいかどうか?を指標とする人もいますが、「自分の好き」を徹底できる場所を選ぶのが良いのではないかと個人的には思っています。

 

大学院は「大学名」ではなく、「研究室」や「教授」「研究内容」で選ぶことがオススメ。

「研究」の世界は、「どこで学んだか?」より「何を学んだか?」が重要視されます。

修士課程の2年間を自分の将来の糧にするために、「何を学ぶか?」に重点を置いて大学院を選びましょう。

 

私の場合は、理系で就職したい場合(研究・開発など)は大学院まで行くのが当たり前という雰囲気だったので「何も考えずに」大学院進学を決めてしまっていました。

この、「何も考えずに」が大きな落とし穴で大学院選びに失敗してしまうのですが...

 

上のように「なぜ、修士課程に進むのか?」を自分で問いかけていたら大学院選びで失敗することはなかったのかなと思ったりもします。

大学院の選び方

修士課程に進む選択肢として大きく3つに分けられます。

  1. 今在籍している大学でエスカレーター式に進学する
  2. 日本国内の他の大学の大学院を受験する
  3. 海外に留学する

 

もし、現在所属している大学・研究室に不満がないのであれば①のエスカレーター式に進学するのが良いでしょう。

不満がないのにわざわざ環境を変える必要はありません。

 

所属している大学・研究室に不満がある場合は②又は③の選択肢を視野に入れて検討しましょう。

将来、就職を考えている場合は②の選択肢の中で、将来的に自分が使えそうな技術を身につけられる研究室を探してみてください。

 

博士課程に進むこと、研究者としてやっていきたいと思っている場合、③を中心に考えてみてください。

「ポスドク問題」と言う言葉を聞いたことはあるでしょうか?

日本では博士号を取得した後のポストがかなり少ない・任期付で安定していないと言う問題を抱えています。

若手の研究者が日本で研究していくのはなかなか厳しい時代になってきているのです。

また博士課程を出て家庭を持った場合、簡単に海外に出るのが難しくなることが予想されます。

身動きが取りやすい、今のうちに海外の研究に触れておくのはかなり良い経験になると思います。

研究業績の中でも「海外留学した」と箔が付くのでオススメ。

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大学院入試の経験談

「修士課程に進むと言うこと」「大学院の選び方」を書いてきましたが、ここからは私の失敗談を書いていきます。

上に書いてきたことを、あまり深く考えず「ただなんとなーく」大学院進学するとこうなってしまうと言う参考にしていただければと思います。

私の志望大学の選び方

私は私立理系学部に所属していました。

なんとなく研究はしたいと思っていましたが、就職した方が安定するし、ポスドク問題もあるし...と大学院に進むかどうかを決めるときに、なかなか「博士課程に行って研究者になる!」と決められませんでした。

私立の大学にいたこともあり、一度は日本一の大学に行ってみたい!と思い「東京大学大学院」に行きたいと思うように。

 

志望研究室を2つに絞って受験することにしました。

第一志望は、学部時代にお世話になった先生の研究室。教授をはじめとした研究室のメンバーとは顔馴染みで、研究テーマも面白そう。

第二志望は、学部時代に所属していた研究室の教授の知り合いの研究室。研究室の情報はHPのみ。毎年それなりの本数の論文を出しているので研究活動は活発なのかなと思い、志望した。研究テーマはそこそこ興味あり。

私の失敗ポイント
・研究室選びを「大学名」でしかしていない
・将来のビジョンが明確ではない
・第二志望の研究室には挨拶に行っていない(教授にメールを出した程度)

第一志望に不合格する

大学院入試に向けて、そこそこ勉強して臨みました。

とにかく、「過去問」が大事なので過去問を集めて出題傾向からどの分野を勉強すれば良いのかを検討。

研究活動もあるので、そんなに時間をかけて勉強はできないので効率的に勉強することを心がけました。

 

試験の日程は、第一志望が先、第一志望の結果が出てから第二志望の試験日と言う流れでした。

その結果...

第一志望は英語の点が足りず不合格。(教授・准教授にかなり残念がられ「もっと勉強しなきゃ!」と叱咤されるのでした...)

英語を勉強し直して臨んだ第二志望。

結果は合格。

 

学部で所属している大学でエスカレーター式に進んで、外部研究生として第一志望の研究室に行くという選択肢もありました。

...が、「これで私の最終学歴が『東京大学大学院』になる」と言うことから、第二志望の研究室に進むことを決めました。

いわゆる「学歴ロンダリング」を狙ったのです。

 

私の失敗ポイント
・他大学の大学院を受験する場合は専門科目だけではなく、英語もしっかり勉強する

第二志望の研究室に入った結果...(失敗したこと)

あまり研究室の事情を知らずに第二志望の研究室に行くことに。

その研究室に入って「失敗した!」と思ったことをまとめておきます。

 

【失敗その1】研究環境が整っていない

研究を指導する立場(博士の人数・助教の人数)が足りていなかった。

HPの情報を見ていて研究室に人がいっぱいると思っていたのですが、入学直前にみんな卒業してしまっていました。

→研究室に顔を出して、研究室のメンバーと話していたら研究環境についての情報は仕入れられたのかなと思います。

 

【失敗その2】教授と(研究に対する)考え方が合わない

自分の中で持っていた研究の向かい方と、教授の考え方がかなり違っていて修士のテーマ決め、研究の進め方についてかなりストレスになってしまった。

私は小さいテーマでも一人で進めたいと思っていたのですが、教授は大きいテーマをみんなで役割分担して(遺伝子解析担当、タンパク質の解析担当、画像解析担当など...)進めるスタイルの研究でした。

全体の研究テーマのうちの自分のところだけしか見られず、視野が狭くなってしまう気がしたので早く出て違うところに行きたい!と思うようになってしまったのです。

→事前に教授と研究の話をしなかったのが原因。

 

【失敗その3】博士課程が修了する前に教授が退官する

進学した研究室でそのまま博士課程に進むとすると、博士を取得する前に教授が退官してしまうことを研究室に入ってから知りました。

→事前に研究室のメンバーと直接話せていたら、知ることができたのではないかと思う。

 

上にまとめた失敗は、事前に研究室に行ってメンバーと話していたら知り得た情報ばかり。

「大学名」に気を取られて、なんとなく進学した結果招いてしまったことだと思っています。

 

第二志望の研究室に進学した結果...(良いこともあった)

「失敗した!」と思ったこともたくさんあったけれど、良いこともあったのでまとめておきます。

 

【良かったこと その1】一流大学に通っている友達ができた

東京大学の大学院に進学して一番良かったことは、「東京大学に通っている友達」ができたことです。

日本最高峰の大学に入る頭脳を持った人たちが当たり前にいる生活というのはなかなか体験できないもの。

周りの友人の考え方や、研究への姿勢など良い刺激をたくさん受けられたのは、修士時代の宝物だと思っています。

 

【良かったこと その2】一流の講師陣による講義を受けられた

当たり前ですが大学院の講義も、「東京大学大学院」の教授たちによって行われます。

一流の研究者たちの話を聞けることって滅多にありません。

一流の講義を受けられたのは、幸せでした。

 

【良かったこと その3】自分の履歴書に「東京大学大学院」と書ける

自分が望んだことでもありますが、「東京大学大学院」入学・卒業と堂々と書けるようになります。

それだけの人物になれているかどうかは定かではありませんが、自分の履歴に日本最高峰の大学名が記載できるのは良かったなと思うことではあります。

大学名に負けないように振る舞わなければと思う日々です。

 

余談ですが、ノーベル賞を受賞するようなすごい研究者たちもこのキャンパスに通っていて、この通学路を通っていたのかな?、この研究棟に出入りしていたのかな?と同じ風景を共有できることも良かったことの一つです。

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大学院入試を迷っているあなたへ まとめ

大学院入試を迷っている人に向けて、記事を書いてきましたが最後に簡単にまとめておきます。

  • なぜ修士課程に進みたいのか?をもう一度自分に問いかけてみよう
  • 研究者としてやっていきたい場合は海外を視野に入れて検討しましょう
  • 研究室は、一度は訪問して自分に合っている環境かどうか確かめましょう
  • 大学院入試は専門科目だけではなく英語もしっかり勉強するようにしましょう

 

私の失敗談がどこかの誰かの役に立てればと思い、つらつらと書きました。

優秀な研究者が育っていきますよう、心から願いを込めて...

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