新型コロナウィルス(COVID-19)|そもそもコロナウィルスってなに?

2020年3月27日現在。新型コロナウィルスは世界的なパンデミックを引き起こしています。

3月のお花見のシーズン真っ只中、不要不急の外出は避けるようにと自粛ムードたっぷりでやってられない人も多いのではないでしょうか。

このサイトは科学ブログサイトということで、世の中の興味を席巻している「新型コロナウィルス(COVID-19)」ってどんなものなのか?

すこし簡単にまとめてみようと思います。

 この記事は2020年5月号の日経サイエンス「コロナウィルスはどこから来たのか」の記事を参考にしています

そもそもコロナウィルスってなに?

新型コロナウィルスが話題になってから、初めて「コロナウィルス」という言葉を聞いた人も多いのではないでしょうか。

実は「コロナウィルス」自体はとても私たちに身近な存在だったのです。

それは風邪の症状を引き起こしている原因として。普通の風邪の20%がコロナウィルスが原因だとされています。

なので、コロナウィルスがそんなに恐ろしいものだと思う研究者はほとんどいませんでした。が、2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)の中国での流行をきっかけに、その概念は覆されました。

SARSは動物から種の壁を越えてヒトに感染するようになったコロナウィルスだったのです。今から8年前に流行ったMERS(中東呼吸器症候群)はラクダからヒトに感染するようになったコロナウィルスでした。(MERSは致死率が約34%)

2003年と2012年のアウトブレイクをきっかけに、コロナウィルスの研究が盛んに行われるようになっているのです。

コロナウィルスはどこからきたの?

動物から種を超えてヒトに感染するようになった、SARSやMERS、そして今回のCOVID-19(SARS-CoV-2)の起源はどれも同じで、コウモリだとされています。

ゲノム解析から、COVID-19は中国に生息する特定の種のコウモリから見つかったコロナウィルスと95%以上遺伝配列が同じであることがわかっています。

COVID-19のアウトブレイクの発端となった武漢の海鮮市場にはコウモリが売られていないことから、コウモリ→中間宿主→ヒトという感染経路を辿ったのではないかと考えられています。

コロナウィルスに関しては、研究が本格的に始まったのはここ20年くらいのことなので、よくわかっていないことが沢山あるのが現状です。

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コロナウィルスが人の体内でやっていること

コロナウィルスは、ウィルスの一種です。

ウィルスは、一般的に遺伝情報をDNAでもつものとRNA(1本鎖または2本鎖)で持つものがあります。コロナウィルスは1本鎖のRNA(プラス鎖)で遺伝情報を持っています。

プラス鎖とマイナス鎖とは?
プラス鎖→タンパク質のアミノ酸配列情報をそのままコードしている配列 マイナス鎖→プラス鎖と相補的な配列

どんなウィルスでも基本的にやることはみんな同じです。

細胞に侵入→細胞のたんぱく質合成系をのっとる→自分の複製を沢山作る→細胞外にでて他の細胞に感染する

細胞は基本的には細胞膜に覆われています。細胞膜は脂質二重膜で表面はツルツル...ウィルスは細胞内に侵入するためには足場となる場所を探さなければなりません。細胞膜の表面には様々な受容体などのタンパク質が浮いています。そのタンパク質にくっつければ、細胞内に侵入できるということなのです。

どのタンパク質に結合するかはそのウィルスが持っている「スパイク」という部分がどんな形をしているかによって変わってきます。

ウィルスがどんなスパイクを持っていて、どんなタンパク質に結合できるかによって感染できる細胞、症状が出る部位などが変わってきます。

コロナウィルスはこのスパイクがウィルスの外側に突出していて先端が太くなっているようです。その様子が太陽のコロナや王冠に似ていることからコロナウィルスと呼ばれるようになりました。

ただ同じコロナウィルスでもターゲットのタンパク質が、SARSはACE2(アンジオテンシン変換酵素2)、MERSはDPP4(セリンプロテアーゼ)と異なっていることもあります。

このターゲットのタンパク質が違うことは、SARSとMERSの症状や致死率の違いを説明するのに重要です。

新型コロナウィルスはSARSと同じようにACE2をターゲットにしているのではないかと推測されています。(新型コロナの方がSARSに比べてACE2とのアフィニティが高いとの報告もあるそうです)

ウィルスがやっていることをまとめると、

ある特定のタンパク質を表面に発現している細胞に侵入する。
たんぱく合成系を乗っ取る
自分の複製を沢山作る
他の細胞に侵入する

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風邪みたいな症状が出るのはなんで?

ただ自分の複製を沢山作って周りにばら撒くだけだったら、そんなに害はなさそうですよね。(たんぱく合成系が乗っ取られるのは問題ですが)

ではどうして、コロナウィルスに感染すると風邪のような症状が出るのでしょう?

コロナウィルスはアクセサリータンパク質を持っていることにその理由が隠れているそうです。

「アクセサリータンパク質」は、宿主(感染した細胞)の自然免疫応答を受けないようにするための防護服のようなものです。

普通、細胞は外敵が侵入してくると、インターフェロンというタンパク質を放出して外敵と戦おうとします。

細胞は外敵と戦うために、通常行なっている生命活動を停止させて、外敵が沢山いる細胞は死なせるなど様々な戦略をとります。

この宿主がウィルスと戦う機構は、自分自身にも害が及ぶようになっています。ウィルスが引き起こす多くの病気は、自然免疫応答(炎症)による宿主の自己破壊反応だとしている研究者もいます。

このことは、今回の新型コロナウィルス(COVID-19)が持病を持っている人の致死率が高くなることを説明できる材料になるかもしれません。

コロナウィルス自身は自分の遺伝情報を修復する機構を十分に持っておらず、どんどん変異型が産生されていきます。

また新たに「種の壁」を超えて人々を脅威にさらすコロナウィルスが出てきてもおかしくないかもしれませんね。

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