科学論文で付けられる「DOI」ってなに?
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最近、学術論文には必ずと言って良いほど付いている「DOI」。

「DOI」のことを「ドイ」と読んでいるあなた!読み方はどうやら「ドイ」では無いようですよ。

出版された論文には必ずと言って良いほど付いていて、中には論文を引用する時には「DOI」を掲載しておけば間違いないと言う人もいます。

一体全体、学術論文などに付与される「DOI」ってなんなのでしょう?

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 DOIって何?

DOIは"Digital Object Identifier"の略。「ディー・オー・アイ」と言うのが正しい言い方だとか...。

インターネット上のデジタルデータに対して恒久的に付与される固有識別子。

識別子からデジタルオブジェクトが存在するURLに変換するサービスです。

もっと噛み砕いて言うと、もともと論文のページなどオブジェクトが存在する場所(URL)に独自の番号(DOI)を割り振るサービス。

 

DOIはInternational DOI Foundation(IDF: 国際DOI財団)が運営しており、IDFに認定されたDOI登録機関(Registration Agencies:RA)によって登録が行われます。

日本国内ではJSTが事務局を務めるRegistration Agency、ジャパンリンクセンター(JaLC)があります。

もともとは出版社が識別子を共有するために作った制度で、その中でも最大規模のID登録数を誇っているのが、主要な学術出版社が多く加盟しているCrossrefです。

このことから、一般的に学術論文にだけ付与されるの「DOI」だと思われています。

が、デジタルオブジェクトであればなんでも「DOI」を登録することができるのです。

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なぜ、DOIを登録するの?

なぜ、URLがあるのに独自の番号を割り振る必要があるのでしょうか?

例えば...

ある論文の引用したのでリンクを貼るためにURLを貼っておいたとします。
(このブログでも参考文献のリンクをURLで貼ることが多いのですが...)

数年後、

引用した論文を掲載していた雑誌がサーバーごと引っ越し

→URLが全て変わってしまった!

自分が貼っていたリンクは切れてしまい、リンクの貼り直しが必要になる...

ってことが実際の例で存在して、論文がうまく引用されなかった事例があったとのこと。

文献のリンク切れなどを避けるために、一貫した番号を振っておいて管理しておけば論文の引用もれが防げるのではないかと言うことです。

DOIがリンク切れを防ぐ仕組み

一貫した番号管理で、どのようにリンク切れを防ぐのでしょうか?簡単に触れておきます。

DOIが付与された文献は、DOIの前に「https://doi.org/」をつけてアクセスすると、DOIのサーバーに繋がって登録されたURLへ転送される仕組みになっています。

つまり「https://doi.org/DOI番号」を打ち込めば、確実に目的の文献に辿り着けるというわけです。

DOIの中身はどうなっているの?

DOIはどのように番号が割り振られているのでしょう?

DOIは、「prefix / suffix」のようにprefixとsuffixがスラッシュで繋がっているます。

prefixは出版社(publisher)ごとに付与されている識別子で、Nature、Science、Cellなどの出版社によってprefixが異なります。(例えばNature Publishing Groupに付与されているprefixは「10.1038」。Nature系の論文のDOI番号を確認してみると「10.1038」と書いてあると思います。)

suffixは出版社が個別のコンテンツに与える識別子。コンテンツごとに番号が異なります。

(Nature Publishing Groupでは"s"から始まるsuffixを基本的には使っています。)

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論文だけではなくデータにもDOIをつける動き

学術論文には付与されることが一般的になってきた「DOI」ですが、最近では実験データ、解析データ、画像データなどの研究データにも「DOI」を付与する動きが国内外で広がっています。

と言うのも、機械学習による解析や一般に公開されているデータを使って新たに解析し直す研究が多くなってきたため、どのデータを使ったか?の明確化が必要になってきたためです。

その中でも特徴的なのは、研究者のSNSとしても知られる「ResearchGate」。

「失敗したデータからも学びがある!」をコンセプトに、利用している人がDOIを取得して生データを載せることができる環境が整っています。

公開したデータがどれくらい使われているか?も、論文の「被引用数」と同様に研究の評価の対象になり得るのですがその評価システムが整っていないのが現状です。

今後は公開された研究データにも一定の評価がつくシステムが開発されてくるのではないかと予想されます。

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