論文にも色々あるの?!論文の種類について

一言で論文と言っても、実は色々な種類があるんです!

新聞やニュースで取り上げられる論文って、どんな論文のことを指すのでしょう?

大きく分けて下のように分類できます。

論文の種類
  • 原著論文(article)
  • 総説論文(review)
  • レター(letter, communication)
  • 会議録(proceedings)
  • 学位論文(thesis)

フミ
「論文」って言っても、いろんな種類があるんだねー
普段、お母さんが書いてる「論文」ってどれなの?

えいこ
お母さんが汗水垂らしながら書いているのは「原著論文」だよ。
はじめに「原著論文」について解説するよ。
 ここでは基本的に科学論文に関することをご紹介します

原著論文(Article)

基本的に論文といえば、「原著論文」を指します。

「原著論文」とは
  • 学術雑誌に掲載されている
  • 著者のオリジナリティがある
  • 著者がその成果の所有権を持っている(盗作じゃない、二重投稿していない)
  • (原則的に)未発表である

などの各学術雑誌の規定に則って掲載される論文のこと

一番大事なのは「オリジナル」な論文であること。

他にも、

「原著論文」で必要なこと
  • 取り扱う問題が原則的に1つである
  • 目的と結果が明確である
  • 結論を導くための調査・実験が行われている
  • 手法や方法論が客観的に論じられている
  • 考察や残された課題にも言及されている
  • 実験の再現性がある
    (他の人が同じ実験をしても同じ結果が得られる)
  • 厳格な査読システムを経る
    (第三者の専門家が間違っていないか、雑誌に掲載して良いか査定する)

このような厳しい審査を受けて、出せるのが原著論文です。

掲載されるまで大変な苦労があるので、原著論文が出るということは、その分野の有識者によって成果が認められたということになります。

フミ
「原著論文」を出すのって大変なんだね!
ちなみにお母さんは、原著論文出すのにどれくらいかかるの?

えいこ
実験がうまく行くかどうか、お金があるかどうかにもよるけど...
今のところ、2年に最低1本は出してるかな...
1本書くのも相当な労力だから、掲載されたらお祝いするのよ♪

えいこ
学術雑誌にもいろんな種類があるの
雑誌によってランクが決まっていて、どのランクの雑誌に掲載されるかで、そのあとの研究者人生が変わってくるの
「原著論文」がどこの雑誌に掲載されるかも研究者にとっては重要な関心事なのよ

出した論文が「原著論文」かどうかは、組織によって判断基準が異なります。

学術雑誌によってランクがあるので、ただ学術雑誌に出したら「原著論文」というわけには行きません。

指定された学術雑誌に掲載された論文だけ、インパクトファクターが◯◯以上のものを「原著論文」として認める。

「原著論文」のハードルは高いのです...

新聞やニュースなどで「◯◯大学の◯◯教授がこんな発見をしたという論文を発表しました!」の論文は、「原著論文」だったのです。

「原著論文」以外にも論文があるので見てみましょう!

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総説(review)

総説論文とは
  • 特定の分野やテーマに関する先行研究を集めて、体系立ててまとめた論文
  • その分野の概説や研究動向、今後の展望を示すことが目的
  • 新しい事実や成果の発表ではない
    (オリジナリティはない)

フミ
なんでこんな論文が必要なの?
科学の分野は「オリジナリティ」が重要なんじゃない?
まとめただけの論文ってなんの意味があるの?

えいこ
フミちゃん、厳しいね...
総説論文もきちんと意味があるから書かれているのよ
総説論文の意義
  • その分野全体の概要を知ることができる
  • その分野の研究を始める上で読むべき論文である
  • その分野で一般的に使われている手法の有効性の確認にもなる
  • 何がわかっていて、何がわかっていないかの指標になる

この手の論文は、その分野の権威の先生が書くことが多いです。

えいこ
「総説論文」の依頼が来たら、その道の権威と認められたんだなと思えます。
まぁ、まだまだ依頼されるまで道のりは程遠いのですが...

その分野を俯瞰して見ることができるので、頭の整理にもなります。

「原著論文」を読むのも重要ですが、今現在の自分の分野の状況や研究しようと思っている分野の状況を把握するためにも時々「総説論文」を読むことがあります。

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レター(letter, communication)

レターとは
  • 新規性と独創性をできるかぎり早く確保したい時に書く
  • その分野の研究者に成果を早く報告したい時に書く
  • 「原著論文」に比べて小さい問題・現在進行形の問題の研究成果が記載される
  • 問題解決手法とその結果の概略・新たにでた問題が論じられている

「原著論文」に比べて査読は厳格ではなく、期間が短いのが特徴。

手紙形式の記事になっている。(「Letter to the editor」や「Author's Reply」などと書かれて掲載されていることがある)

目的や結果が明確ではなく、「とにかく新しい発見をしたから示しておくね」という感じで書かれます。

会議録(proceedings)

世界中(日本も含め)では様々な学術会議(いわゆる学会です)が開催されています。

学会では研究成果を発表するために、事前に自分がどんな研究をしているか小さい論文(基本的には研究の概要だけを記したもの)を投稿しなければなりません。

その論文をまとめた冊子が会議録(proceedings)となります。

分野によっては学会は重要な研究発表の場と見なされるため、その学術会議は学術雑誌と同等とされ会議録も「原著論文」相当の評価を受けることがあります。

フミ
お母さんも学会行ってるよね
その前に論文みたいなのを書いてるって知らなかった!
学会出るのも大変なんだね

えいこ
学会に出すために研究概要(通称:アブスト)は書いてるけど、
お母さんの分野では「論文」と見なされることはほとんどないよ!
でもアブストで、発表方法(ポスター発表、口頭発表)や出られるか出られないか
が決まったりするから手を抜けないのよ!!

学位論文(thesis)

最後に、4年制大学を卒業した人なら誰でも書いたことがあるであろう学位論文についてご紹介します。

学位論文とは
  • 広い意味では卒業論文、修士論文
  • 通常は博士論文のことを学位論文と言う
  • 著者が自分の研究活動の総括を行った論文
    (総説論文に似ている)

博士論文はれっきとした論文です。

国内で発表された博士論文は国会図書館に収められ、国民が誰でも読むことができるようになっています。

学士を含めて6年間(ストレートで行った場合)の研究成果を、系統立ててまとめたもの。

基本的には日本語(最近は英語が推奨されつつありますが)なので、日本でどんな研究をされているかを簡単に知ることができます。

意外と知らない研究現場の論文事情

論文の種類をご紹介すると同時に、研究現場の論文事情もご紹介しました。

研究の現場は「原著論文」が第一です。

そこそこの「原著論文」がないと研究者としてやっていけないし、研究費も取ることができません。

どこかに就職しようと思っても、「原著論文」がなければ話になりません。

しかも単なる「原著論文」ではなく、どのクラスの学術雑誌に出ているかも重要なのです。

新聞などでは 「◯◯教授の論文」と紹介されますが、実際に手を動かして汗水垂らしているのはその研究室にいる研究員・学生だと言うことを頭の隅にいれておいていただけると幸いです。

なぜ、「◯◯教授の論文」と報道されるのかはまた後日ご紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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