意外と知られていない研究室の現実〜どんな人がいるの?〜

大学の研究室といえば、教授がいて...学生さんがいて...

あとどんな人がいるの?と意外と知らないですよね。

教授や学生の他にどんな人がいるのか、それぞれの研究室での役割について少しだけご紹介します。

えいこ
いろんな研究室を渡り歩いてきたので、
その経験も含めてご紹介していきたいと思います!

大学の研究室ってこんな感じなんだーとイメージを膨らませてみてください。

(研究室のことを通常はラボと呼ぶので今回は「ラボ」で統一します。)

 今回は一般的な大学の科学系ラボの構成を中心にご紹介します

一般的なラボの構成

標準的なラボにはこのような人たちが所属しています。

  • 教授
  • 准教授(特任准教授・講師)
  • 助教(特任助教)
  • 博士課程の学生(D1〜D3)
  • 修士課程の学生(M1〜M2)
  • 学士課程の学生(基本的にB4)
  • 秘書

研究費がたくさんあって、大きなラボになると下のような人が増えます。

  • 研究員
  • 技術員

えいこ
まずは標準的なラボの説明からしましょう!
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教授って何してるの?

ラボのトップに君臨しています。ラボにつき1人(ただし特任教授は除く)です。

ラボによっては「ボス」と呼ぶところもあります。

教授になるためには

文部科学省では、教授になるための資格についてこのように定めています。

教授の資格について
  1. 博士の学位を有し、研究上の業績を有する者
  2. 研究上の業績が前号の者に準ずると認められる者
  3. 大学において教授、助教授又は専任の講師の経歴のある者
    (※現在は助教授ではなく准教授)
  4. 芸術、体育等については、特殊な技能に秀でていると認められる者
  5. 専門分野について、特に優れた知識及び経験を有すると認められる者

 

この5つの項目のうち、1つを満たしていれば教授になれます。
(教授になるためには相当な努力と、タイミングのよさが必要ですが...)

「研究上の業績」とはいわゆる論文(原著論文)のこと。この論文がどれだけ出ているかが評価の基準になります。

教授の仕事って何があるの?

教授の主な仕事はこんな感じです。(もっと色々しているよとお叱りを受けそうですが...)

  • 大学の講義(講義の準備を含める)
  • 研究
  • 大学運営のための会議など

大学という教育機関に所属しているため、「教育」は教授の大事な仕事です。

週数コマ(1コマ90分)の講義をこなさなければなりません。(準備などは助教以下に任せる先生方も多いです)

もう一つ大切な仕事は、「研究」です。

自分の専門分野に関する研究を進めていかなければ、論文も出せず第一線で活躍できません。

学会に出たり、講演会に出席するのも教授の大事な役割の一つです。

自身の研究室に所属する学生さんたちの、学位取得の面倒もみなければなりません。

最後に大学運営のための「会議」です。

意外と「会議」に時間を取られて悩まれている先生方も多いのではないかと思います。

えいこ
大学運営に関しては、教授ももちろん関わるべきだとは思いますが
主体は教授でなくても良いと個人的には思っています
会議で時間を取られてしまって、本業が進まないのは本末転倒です!

研究室での教授の役割

研究室での主な業務(学生の面倒を見る)は准教授または助教が行なっていることがほとんどです。

フミ
なんで教授の先生じゃなくて准教授や助教の先生が見てるの?
学生さんだって教授に教えてもらいたいんじゃない?

えいこ
教授は上で見てきた通りたくさんのお仕事を抱えてるんだ
だから学生さん一人一人をきめ細やかに面倒は見られないの

えいこ
でも、面倒を見ている准教授や助教と教授がやりとりして
研究の方針を考えたりしているのよ
学位取得直前になると助教を含めてミーティングしたりする機会もあります

学生さんは教授とお話しする機会が少なくて、不安になるかもしれません。

学生を指導している先生が教授とやりとりして方針を決めているので、安心してください。

フミ
じゃあ、教授の先生の役割ってなに?

えいこ
研究室全体がどこに行くかの舵取りをしているのよ
他にも、
研究室の雰囲気づくりも大事な仕事だと思うよ
教授の性格によって研究室の雰囲気が随分違うのよ

ラボを大きな船に例えると、

准教授や助教は、船の操作をしたり乗組員の指導を、

教授は船長室で地図を広げて次は「◯◯に行こう!」と言っている

と想像してもらうとイメージがつくかなと思います。

「教授について」まとめ
  • 研究でしっかり業績を出していることが条件
  • 研究や大学の講義以外にも大学の運営などの雑務もこなしている
  • 研究室では研究の行く先を見極める大事な役割を担っている
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准教授って何してるの?

ラボの中で教授の次のポストが准教授です。昔は助教授と呼ばれていました。

ラボにつき1人(ただし特任准教授は除く)います。

准教授になるためには

准教授になるための条件
  1. 教授になる条件のうちどれか1つに該当している
  2. 大学で大学職員として(助教などの)の経歴がある
    (海外に出ていた場合も海外で大学職員としての経験があればOK)
  3. 「修士の学位」や「学位規則第5条の2で規定している専門職学位」、「海外で授与されている学位で先の2つと同等の学位」を持っている
  4. 研究所・試験所・調査所などの職場に在職し、研究で業績をあげていること
  5. 専門分野で、優れている知識や経験を有していること

このいずれかに該当すれば准教授になることができます。

しかし准教授になるためには、大学で准教授を募集していて、教授会(教授が集まってする会議)での承認されなければなりません。

大学で准教授になると自分のラボを持つことができるようになります。

准教授の仕事って何があるの?

准教授の主な仕事内容は、

  • 大学の講義
  • 研究

教授と同じように、会議に出席したりもします。

が、准教授の大事な仕事は「専門分野の研究」「学生の教育」です。

えいこ
私の経験だと、学生と近いのは教授よりも准教授の先生でした
毎日顔を合わせて、「研究とは」を教えてくださりました

研究室での准教授の役割

教授が船長ならば、准教授は航海士といったところでしょうか。

教授が「◯◯へ行くぞ!」と言った時に、

「そこへ行くには◯◯くらいかかります」「◯◯するのが必要です」「そもそもそこに行く必要はありますか?」

など教授の決定に意見できる立場にあります。

(准教授の先生がやられている研究室では、准教授が船長と航海士を兼任している状態です)

「准教授について」まとめ
  • 大学職員としての経験が無いとなれない
  • 准教授になるとラボを持てる
  • 「研究」と「教育」が主な仕事
  • 教授のサポートをする大事な役割を担う

助教って何してるの?

一番学生に近い大学職員が助教です。昔は助手と呼ばれていました。

博士課程を卒業するとまず目指すのが「助教」です。

ラボにつき1人〜2人(特任助教も含め)います。

助教になるためには

一般的に博士課程を卒業した人が大学で公募されている助教に応募してなります。

大学設置基準によってこのように定められています。

助教の資格
  1. 教授の資格または准教授の資格のいずれかに該当する
  2. 修士の学位(医学・歯学・薬学・獣医学を修了した者については学士の学位)、学位規則第5条の2に規定する専門職学位を有する者
  3. 専門分野について、知識および経験を有すると認められる者

のいずれかを満たせば、助教になることができます。

必ずしも「博士課程」を修了していなくても助教になることができるのです。

えいこ
私の友人にも修士課程の途中で、
優秀だと認められてある大学の助教になった人がいますよ
助教になると、大学の講義を担当することができます。
(主に実験・演習などの授業を行なっています)

助教の仕事って何があるの?

助教の主な仕事は、

  • 学生の指導
  • 研究室の雑務
  • 自身の研究

もちろん、自分の研究を進めていくのはもちろんのこと助教の先生の主な仕事は「研究室の学生の指導」です。

学生と一番距離が近い大学職員が助教ということになります。

学生たちの日々の実験などはもちろん、実験結果に関するディスカッション、次の実験プランなどを一緒に練るのが助教です。

えいこ
一番距離が近くて、研究のことを把握しているからこそ
一番怖いのが助教の先生です
研究報告会で
助教の先生と一緒に練った実験プランを自信満々に発表したところ...
味方だと思っていた助教の先生に
「なんでそれやるの?」「◯◯ということは考えたの?」
と散々突っ込まれる
というエピソードは日常茶飯事です

研究室での助教の役割

ラボを船に例えると、教授は船長、准教授は航海士という話をしてきました。

それにならうと、助教は機関士にあたるでしょうか。

船のメンテナンスをして、船がきちんと動くように管理します。

ラボでは、研究がスムーズに進むようにサポートしたり、学生の指導をしたりするのが助教の役割です。

「助教について」まとめ
  • 博士号取得後になる人が多い
    (ポスドクを経験してからなる人もいる)
  • 日々の学生の指導を行う
  • 研究室運営の実務を担当している

研究室の学生の役割

博士課程の学生(D1〜D3)

研究室の中では、一番研究経験が豊富な学生となります。

助教に代わって、修士以下の学生のお世話をしたりします。

また、TA(teaching assistant)として実験実習のサポートをしたりします。

本分は「博士号」の取得です。

特にD3の学生さんは、博士号審査前は研究室に泊まり込みで実験する人も多いのではないでしょうか。

修士課程の学生(M1〜M2)

研究室の生活にも慣れてきた頃でしょう。

大学4年生(B4)のお世話を任されたりします。

研究成果を携えて学会発表できるようになるのも修士の学生さんくらいですかね。

研究室の雑務なども任されながら、修士論文を書きます。

学士課程の学生(B4)

研究室に配属されて、右も左もわからない状態です。

そこの研究室でやられていることを勉強したり、自分の研究テーマを決めたりします。
(准教授や助教の先生のテーマのサブテーマをもらうことがほとんどです)

研究室のゴミ出し、掃除などの雑務をこなしながら、実験を進めていきます。

また、大学1年生でも研究室に出入りする人もいます。

学士課程の学生は大学4年生とも限らないのです。

唯一の事務方、秘書さん

秘書さんがいない研究室もありますが、大抵の研究室には1人または2人の秘書さんがいます。

秘書さんの仕事

秘書さんの仕事は、

  • 教授のスケジュール管理
  • 研究費の管理
  • 事務手続きの手伝い

です。

多忙な教授のスケジュールを管理するのが秘書さんの大きな仕事です。

もう一つの大きな仕事は、「研究費の管理」です。

ある決まった期間の間に使い切らなければならないので、研究費をきちんと管理する人が研究室には必要なのです。

特任って何?

ご紹介した教授、准教授、助教の他に役職に”特任”がつく人もいます。

大学や研究機関で、ある期間だけ(1年〜5年程度)教員として雇い入れた人に”特任”とつけます。
(ある研究プロジェクトが動いている間だけ雇うなど。)

つまり”特任”とつく人には任期があるのです。

継続的に雇用されず、正規の教員ではありません。(非常勤の扱い)

以上が一般的な科学系研究室の構成です。

えいこ
どんな人がいるかイメージできましたか?

大きい研究室から小さい研究室まで色々見たことがあるのですが、研究室は助教の先生が元気だと雰囲気が良いです。

教授や准教授の先生に目が行きがちですが、もし将来研究室を選ぶ時には研究テーマはもちろん助教の先生がどんなことをしているかに注目してみましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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