ImageJー多次元画像の扱い方(波長の次元 xy-c)

NatureやScience、Cell誌の表紙を飾る美しい蛍光画像。あんな綺麗な写真をいつか撮れたら良いなと憧れますよね。

論文雑誌の表紙を飾るような蛍光画像は、一色だけではなく複数色使われていますよね。このような蛍光画像のことを「多次元画像」と呼びます。

今回は「多次元画像」、特に、複数の色を使った「xy-c」画像を中心にその特徴とImageJ上での取扱い方法についてまとめていきます。

そもそも多次元画像とは?

通常の顕微鏡画像はxy平面の2次元画像で、それぞれのxy座標に対応する輝度が一つずつ並んでいる数値の羅列(数値マトリックス)です。(基本的には白黒画像)

これに、

異なる波長をもつ蛍光プローブで写真を撮ると、色の軸が加わり...xy-c(c: channels)

動画として撮影すると、時間軸が加わり...xy-t

共焦点顕微鏡などの連続光学切片画像にすると、深さ方向の軸が加わり...xy-z

の画像になります。このように、xyの2次元以上の画像のことを多次元画像と言います。

3次元の画像は追加された軸にしたがって画像を並べることで解析ができるようになるのです。

 

さらに、複数の蛍光プローブを使ってタイムラプス写真を撮った時には、"xy-ct"と4次元の画像になりますよね。そういった場合にはより複雑なプロセスを踏むことになるので、この記事では4次元以上の画像については割愛します。

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波長軸が加わったxy-c画像とは?

2種類以上のタンパク質の局在がどうなっているのか?局在は一致(共局在)しているのか?などを調べたい時には、一般的にはxy-c画像を取得するのでは無いかと思います。

複数の蛍光プローブを使って染色したサンプルを撮影するとき、大抵の場合は蛍光顕微鏡でフィルタを切り替えながらシグナルを取得していきますよね。顕微鏡の画像上では色がついて見えるかもしれませんが、ほとんどの場合それぞれのチャネルはモノクロで撮影されて、撮影された時点では色はついていません。後から任意に色を指定して重ね合わせることで、染めたタンパク質同士の空間分布の相互関係を知ることができるのです。

任意に色を指定して重ね合わせた画像のことを、RGB画像(R: red, G: green, B: blue)と言います。光の三原色である赤・緑・青が重なり合わさって一つの画像となっています。一般的にRGB画像はそれぞれのチャネルの画像震度が8 bitであり、それが3枚重なり合わさっているので、8(bit)×3枚で24 bitの画像深度を持ちます。

複数の色で撮影した画像をxy-c画像と呼び、それが重なり合わさって一つの画像になったものをRGB画像というのです。

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ImageJでxy-c画像を扱う

ImageJ Fijiを使ってxy-c画像の扱い方を簡単に見てみましょう。参考にしたのは、『ImageJdeはじめる生物画像解析』です。

まず、もともとImageJ Fijiに入っているxy-c画像を開いていきます。

xy-c画像を開く

[hela-cells.tif]はRGB画像で各チャネルが重なっており、下の水平スクロールバーでRGBチャネルを選択できます。このように各チャネルが明示的に重ね合わさっている画像をImageJではコンポジット(composit: 合成、混成)画像と言ってチャネルごとに操作ができます。

ImageJでは画像が重なっている状態を「スタック」と言いますが、このコンポジット画像もスタック画像の一種です。

でもこのように重ね合わさっていたら、それぞれのチャネルでどうなっているのかわかりにくいですよね。

次は画像の一部分だけを切り抜いて一つのチャネルだけを表示させてみましょう。

一つのチャネルだけを切り抜いて表示させる

ある特定の領域を切り抜いて一つのチャネルの画像を取得したい場合は、図2の手順に従います。

このように一つのチャネルだけを切り抜くことで、チャネルごとに操作が可能となります。

では、コンポジット画像を一枚のRGB画像にしたり、RGB画像を各チャネルごとにバラバラにするにはどうすれば良いでしょうか?

xy-cのコンポジット画像をRGB画像に変換する

図3のように検索フィールドに[RGB Color]と入力してRunを押しても良いですし、[Image -> Type -> RGB Color]を実行してもできます。

画像の見た目はあまり変わりませんが、コンポジット画像のときにあったスクロールバーが消えています。また、画像の名前の末尾に"(RGB)"がついています。

RGB画像ではそれぞれのチャネルについて操作ができませんが、重ね合わせた画像をバラバラにして作業することはできます。RGB画像をチャネルごとにバラしてみましょう。

 

図4のように[Split Channels]でバラバラにすることができます。バラバラになった画像は末尾にそれぞれのチャネルの色(ex. "(red)")が付けられて、モノクロの画像になっています。

顕微鏡で撮影した画像がモノクロで、重ね合わせたときに擬似的に色がついていることがわかりますね。

チャネルごとにバラバラにした画像を重ね合わせてみましょう。

 

最後に、もともとの画像のチャネルごとの割り当てられている色を簡単に変えてみましょう。

コンポジット画像のチャネルごとに色の割り当てを変更する

チャネルごとの色を変更する場合、図4の[Split Channels]で一回バラバラにして、図5の[Merge Channels]で割り当てる色を選択しても良いのですが、もっと簡単に変えることができます。

[Arrange Channels]を使うとリアルタイムで画像の色が変わってくれるので、どのチャネルにどの色を割り当てれば見やすいか、画像を見ながら判断ができるのでとても便利です。

 

コンポジット画像を保存する

作製した画像の保存について少し触れておきたいと思います。

ImageJではコンポジット画像を[File -> Save as... ->(好きな画像形式)]で保存しても真っ黒な画像しか保存されません。ImageJでひらけばコンポジット画像として表示されますが他のソフト(パワーポイントに貼り付けるなど)で開いても画像は表示されません。

他のソフトでも開くためには、図3の手順でコンポジット画像を一回RGB画像に変換してから保存するようにしましょう。

 

xy-cの多次元画像の扱い方 まとめ

多重染色でよく扱われるxy-c画像とImageJでの扱い方について、最後にまとめておきましょう。

  • xy-c画像は複数のチャネルで撮影したモノクロ画像のまとまり
  • xy-c画像に擬似的に色をつけて見やすくしたものをRGB画像と言う
  • ImageJではxy-c画像はコンポジット画像として扱う
  • ImageJを使えばコンポジット画像とRGB画像を自由に変換しながら操作ができる

 

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